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TopInterviewGoldwin Play Earth Fund PORTFOLIO INTRODUCTION Vol.1 株式会社Sanu

株式会社Sanu

2022.12.15

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Goldwin Play Earth Fund PORTFOLIO INTRODUCTION

Vol.1株式会社Sanu

都会での生活は、多くの人や建物に囲まれ、自分ひとりや家族、友人とゆっくり過ごす時間、自然を感じられる機会が多くはありません。そんな中、リモートワークの浸透により、多拠点生活や自然の中で暮らしたいというニーズが高まっています。「もっと身近に自然があったら」そんなライフスタイルを「SANU(サヌ)」が叶えてくれるんです。 Goldwin Play Earth Fundの出資先であり、革新的なサービスを提供する「SANU」。同社のCEOである福島さんに事業設立のきっかけや事業内容、将来のビジョンについて伺いました。

「自然の中にもう一つの家」を定額で提供する。

── 「SANU」が展開するサービスについて教えてください。

福島:「Live with nature.」をコンセプトに掲げているライフスタイルブランドです。具体的な事業としては「SANU 2nd Home」という、自然の中にセカンドホームを持つことができるサブスクリプションサービスを展開しています。

「SANU」が提供する、自然のなかに佇むキャビン。月額料金を支払えば、自分の家のように使うことができる。
「SANU」が提供する、自然のなかに佇むキャビン。月額料金を支払えば、自分の家のように使うことができる。

── 自宅以外の別荘的なものを、月額で借りられるということですか?

福島:その通りです。実際に別荘を持つとなったら数百万〜数千万円はかかりますが、「SANU 2nd Home」はスマホ一つでサブスクに登録すれば、初期費用0円、月額5.5万円で、気軽に自然の中のもうひとつの家を持てるんです。

── 「SANU 2nd Home」は、どこにあるんでしょうか?

都⼼から1時間半〜3時間で到着できる自然の中に、計7拠点50棟を構えています。八ヶ岳の南麓に2拠点、同じく長野の白樺湖に2拠点、そのほか山梨県の河口湖、山中湖周辺、北軽井沢に1拠点ずつあります。

福島:都⼼から1時間半〜3時間で到着できる自然の中に、計7拠点50棟を構えています。八ヶ岳の南麓に2拠点、同じく長野の白樺湖に2拠点、そのほか山梨県の河口湖、山中湖周辺、北軽井沢に1拠点ずつあります。

── 会員待ちのウェイティングの数がすごいと伺いました。

福島:ありがたいことに、2021年11月のグランドオープン前には既に1,600名の方にお待ちいただきました。現在も徐々に増えている状態です。

── 実際にセカンドホームでは、どう過ごす方が多いんですか?

どのセカンドホームも、周辺には雄大な自然が。「八ヶ岳 1st」が位置する北社からは、北に八ヶ岳、南西に南アルプス、南に富士山を望む高原大橋が広がる。
どのセカンドホームも、周辺には雄大な自然が。「八ヶ岳 1st」が位置する北社からは、北に八ヶ岳、南西に南アルプス、南に富士山を望む高原大橋が広がる。
冬の「山中湖 1st」。拠点の近くには、よく鹿が遊びに来るそう。
冬の「山中湖 1st」。拠点の近くには、よく鹿が遊びに来るそう。

福島:前提として、ぼくらはホテルを作っているわけではないんです。あくまで自然の中に「セカンドホーム」を作っています。なので、会員メンバーのみなさんは日常生活の延長のように、地元の産直やスーパーに行って食材を買いキャビンでご飯を作ったり、リモートでお仕事をされる方もいます。ほかにも、本を読んだりとか、家族でただくつろいだり。都会での日常生活の延長を、自然のなかで過ごしていただいている、というイメージです。

メンバーの方からは、家族や大切なパートナーとのゆったりとした会話が増えた、絆が深まったという声もよく聞きます。忙しい都会の生活の中で、実は一番近い人や家族とゆっくり語らう時間ってなかったりしますよね。自然の中のSANU 2nd Homeで、大切な人と焚火を見つめながら語らう。なんてシーンもSANUならではだと思います。

── このサービスをはじめた理由を教えてください。

福島:端的にいうと、もっといろんな人に自然を好きになってもらいたかったんです。そのためには、自然と触れ合う機会が多い方がいいし、きっかけになる場所を作る必要があると考えました。また、自然と触れ合う行為も単発ではなく、繰り返してもらいたい。そして、絶景としての自然を消費して都会に帰るのではなく、自然に寄り添って生活を営んでもらいたい。そうした思想がサービスに繋がっています。

それと、僕自身が北海道出身なので、自然が横にある生活が当たり前の環境で育ちました。そこから上京し、都会のなかで忙しく仕事をして、30代半ばに差しかかったとき、自然に触れ合う機会が減ってきていることや、自然へ行ったとしても本当の意味で安らげる場所がないことに気づきはじめたんです。なので「自分たちが使いたいサービスを作る」というのも、「SANU」を設立した大きな理由のひとつです。

福島:それと、僕自身が北海道出身なので、自然が横にある生活が当たり前の環境で育ちました。そこから上京し、都会のなかで忙しく仕事をして、30代半ばに差しかかったとき、自然に触れ合う機会が減ってきていることや、自然へ行ったとしても本当の意味で安らげる場所がないことに気づきはじめたんです。なので「自分たちが使いたいサービスを作る」というのも、「SANU」を設立した大きな理由のひとつです。

SANU初となる、海辺の拠点。

── ここまでは「SANU」の基本的な情報を伺いましたが、ここからは今後の展望についてフォーカスしたいと思います。聞くところによると、来夏に新たな拠点ができるそうですね。

福島:そうなんです。いままでは山や川、湖の近くに拠点がありましたが、今度は九十九里浜の最南端にある一宮町に作ります。

一宮町にできる「SANU Apartment(仮)」。周辺には初級者から上級者まで楽しめるサーフポイントが点在する。The Boundary for Sanu Inc. ©︎ Sanu Inc.
一宮町にできる「SANU Apartment(仮)」。周辺には初級者から上級者まで楽しめるサーフポイントが点在する。The Boundary for Sanu Inc. ©︎ Sanu Inc.
一宮町にできる「SANU Apartment(仮)」。周辺には初級者から上級者まで楽しめるサーフポイントが点在する。The Boundary for Sanu Inc. ©︎ Sanu Inc.

── これまでは山のなかでしたが、一宮町と言えば海ですよね。

福島:「SANU」は、ぼくと本間貴裕(SANUのファウンダー)の2人で始めたブランドです。ぼくは北海道育ちというのもあって、どちらかというと山の人間。 一方の本間はサーフィンを愛する人間なので、海が好き。なのでこれまでも、山と並行して海側でも土地を探してきましたが、ようやくいい場所が見つかったんです。

── 海と山で、ユーザーの体験は変わっていくものなんでしょうか?

福島:変わると思います。本間の言葉を借りるなら、「山に入るときは何かを決めに行くとき、海に入るときは心を開くとき」。なので、例えば八ヶ岳にある拠点では木々の音や鳥の鳴き声が聞こえて、そのなかで自分に向き合ったり、家族との時間をゆっくり過ごす。一方で海側の拠点は、いろんな人が自然に集まってくるような空間の作り方とか、そこで語らいが偶発的に生じる導線など、心を解きほぐしていくようなイメージで設計しています。ちなみにぼくは、完全に山派です(笑)。

── バリエーションが広がっていくのは、とても楽しみですね! 新しく作られた一宮だけでなく、今後軽井沢や那須にも拠点を開業していくとお聞きしました。具体的には、どれくらい拡張していく予定なんでしょうか?

福島:直近のところで言うと、2024年までに20拠点200棟を目標にしています。

直近のところで言うと、2024年までに20拠点200棟を目標にしています。

── 海外展開もあり得ますか?

福島:はい。ゆくゆくは「地球に住む」みたいなサービスにしたいと思っています。拠点がアラスカにあったっていいし、ニュージーランドの南島にあったっていい。それをサブスクで使えるとなったら最高ですよね。

── とても夢がありますね。リアルなところで言うと、海外旅行の宿泊費も考えなくてよくなるわけで。

福島:そうですね。なので、今回「ゴールドウイン プレイアースファンド」に出資いただけたことで、よりいろんな未来を、想像できるようになったんです。

まずは、お互いのリアルを知るところから。

── そもそも、福島さんと「ゴールドウイン」の関係はいつから始まったんでしょう?

福島:ぼくにとって「ゴールドウイン」や〈ザ・ノース・フェイス〉は3歳ぐらいからの付き合いです(笑)。北海道生まれで、家の裏にはスキー場があって、そのときからスキーウェアを着用させてもらっていました。なので、自分の人生のなかで当たり前のように横にいる存在だったんです。かれこれもう30年以上の関係ですね。(笑)

── そこから長いときを経て、今回「ゴールドウインプレイアースファンド」の出資を受けることになったと。

福島:そうなりますね。出資をいただけると決まったときは、本当に嬉しかったです。

── ほかにも投資会社があるなかで、なぜ「ゴールドウインプレイアースファンド」だったんでしょうか?

福島さんが感銘を受けた石川直樹さんの言葉。
福島さんが感銘を受けた石川直樹さんの言葉。

福島:「SANU」のブランドコンセプトは、「Live with nature. 自然と共に生きる。」というものです。このコンセプトにたどり着く過程で、写真家・石川直樹さんの言葉からインスピレーションをいただきました。彼の本の中で、「ニュージーランドの原生林は人間から隔絶されたために美しい姿を保っているのではない。マオリというよき理解者が畏怖の念をもって森とつきあってきたからこそ、今の状態を保っていられるのだ。自然と共生するというのは、“人間が自然を守る”ことではなく、人間と自然が対等な関係を結ぶことではなかったか」という一節があって、そこから「Live with nature.」という言葉を紡ぎました。

やはり、地球環境を守るには、まずは自然へと繰り出して、自然で遊び、自然の素晴らしさを知ることが大切だと思うんです。なので「ゴールドウインプレイアースファンド」の思想には共感しかないですし、同じ北極星を見てくださっている会社だと思い、出資をお願いしたんです。

── たしかに、「SANU」と「ゴールドウイン プレイアースファンド」には親和性を感じます。今後、「ゴールドウイン プレイアースファンド」と手を組むことで、どういう相乗効果を期待していますか?

福島:期待するというのはおこがましいですが、「ゴールドウイン」のお客様には自然の中で遊ぶことを好きな方がたくさんいらっしゃるので、そこから生まれる声を吸い上げ、「SANU」に反映させていきたいです。

それと、地方に「SANU 2nd Home」の拠点を作るなかで、その場所自体が元気じゃないと、ユーザーさんが訪れても楽しい体験が生まれません。そこの活性化も、手を取り合って進めていきたいと思っています。

福島弦(SANU Inc. CEO)

もうひとつが、子供たちへのきっかけづくり。自分がいま、自然と接する仕事をしているのも、幼少期に訪れた知床での自然体験があったから。なので今後は、「SANU 2nd Home」の拠点をベースにして、ネイチャーキッズキャンプみたいなイベントを仕掛けていきたいと思っています。もちろん、相互送客に繋がるようなことも意識しながらですけどね。

まずはお互いの会社のリアルを知っていくことが大事ですし、いまは土台を固めて、未来に向けて動き出せたらと思っています。

PROFILE

福島弦(SANU Inc. CEO)

1986年生まれ、北海道出身。大学卒業後コンサルティング会社へ入社。その後、高校と大学時代に明け暮れていたラグビーの仕事に従事し、ラグビーW杯の運営などに携わる。2019年、ファウンダー兼ブランドディレクターの本間貴裕さんとともに「SANU」を設立。